歴史と技術が織りなす職人業 京の伝統工芸歴史と技術が織りなす職人業

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京うちわ

都(みやこ)うちわとも呼ばれ、京都の伝統工芸品の一つ。昭和52年に経済産業大臣指定の伝統工芸品に指定されました。

京うちわの始まりは、南北朝時代に遡ります。当時、明と呼ばれていた中国や朝鮮沿岸地を荒らし回っていた倭寇(わこう)という日本人の海賊により西日本にもたらされた朝鮮団扇が紀州から大和を経て、京都の貴族の別荘地であった深草に伝わったのが始まりと言われています。

日本に伝わった飛鳥時代には、神事や祭礼などにも用いられたほか、貴族が顔の前にかざしたり、手元を華やかに演出したり、時の権力者への献上品として重宝されました。

柄が中骨と一体ではなく後から取り付けられる「挿柄」という構造が、京うちわ独特のものに定着したのは江戸時代以降のこと。これは、宮廷のための絵を描く土佐派、狩野派等の絵師が絵を描いた「御所うちわ」が始まりと言われています。

表裏に貼られた地紙の中にある竹骨は50本から100本もあり、多いものほど高級で「100立て」と呼ばれるものは飾り用うちわとされています。柄には竹のほかに、杉が使われているものや漆が塗り施されたものまであります。

江戸時代になると土産物や贈答品、縁日の縁起物としてのうちわも誕生しました。庶民の間にも涼を取るための「風起こし」として使われるようになりました。明治時代には商家や店舗の「配布物」としても利用されるようになり、海外へも輸出されるなど「日本文化の一つ」として現代に至ります。

京うちわは、京都の豊かな風土と文化や歴史によって発展。今現在も歴代続く職人によって新たなデザインが生まれています。単に涼むための用具としてだけでなく、透かしのある飾りうちわはインテリアにもなり優れた美術工芸品として私達の目を楽しませ、生活に華やかさと潤いを与えてくれます。

京の伝統工芸

京の伝統工芸

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